民間病院で働く医師の現状とは?

  • 2017年10月11日 00:58

国内には多くの病院やクリニックがありますが、そのうち約7割が社会福祉法人や公益法人、医療法人、個人の運営する民間病院となっています。
地方自治体や国が運営する病院は公立病院の区分になりますが、公立病院の方が少数派なのです。

多数派の民間病院は数が多い分、たくさんの求人が公開されています。
医師の転職先として民間病院はかなり魅力的。
ところが民間病院は公立病院とは違い、赤字になっても税金などで補てんされる事はなく自力で運営しなければなりません。

そのため民間病院で働く医師はコスト意識が高く、確実に病院の発展に貢献出来る人材でなければなりません。
仮に採用されたとしても患者からの評判が悪い、病院の利益を上げる気持ちが薄い、病院のイメージを落とす言動をするなどマイナス要因が多いとリストラされる可能性も。
このページではそんな民間病院で働く医師の現状についてまとめています。

民間病院は売上重視

民間病院は公的病院のように赤字になったら税金で補てんしてもらえるような事は一切ありません。
そのため、医師や看護師にはある程度の接遇レベルが要求されたり、患者へのマナー、愛想の良さ、一般常識の有無はもちろん、病院によっては営業センスや施術の売り込みなども必要です。

特に美容系クリニックの場合、より多くの施術をさせてもらえる医師、化粧品など物販が上手な医師、施術の腕前が非常に良い医師は売り上げに貢献出来る人物として高く評価されます。
民間病院とはつまり、実力主義の世界なのです。
ある程度の結果が出せなければ働き続ける事が出来ません。

民間病院は売り上げ重視の運営ですので、当然ですが医師の受けとる報酬も公立病院に比べると高くなります。
高給与を目指す医師は迷わず民間病院を選ぶべきでしょう。

大学病院よりも守備範囲が広い

大学病院は診療科目がかなり細かく設定されており、医師は専門分野に特化した医療サービスを提供しています。
ところが民間病院になると「私は循環器内科しか診察しません」などとは言っていられません。

毎日多くの患者がやってきますので、一般内科や一般外科の知識をもち幅広い症例に対応出来る医師でなければ対応出来ないのが現状です。
特に医師の数が少ない島しょ部やへき地ではオールマイティーに仕事が出来る医師が歓迎されます。

幅広い臨床経験を積みたいのであれば専門医師を育成する大学病院ではなく、民間病院を選択する方が満足出来る可能性大です。

医師の数が少ないと激務になりやすい

民間病院は規模が小さいため、医師の数も限られてきます。
全ての民間病院がそうであるとは限りませんが、スタッフが少ないと代わりに診察・治療・手術を行う医師数も少なく、一人で多くの患者と向き合っていかなければなりません。

病院にもよりますが、中には一人の医師が外来・入院患者対応・手術・当直など様々な仕事を行い、日々激務に耐えている所も。
そしてそのような病院では、体力に自身のある医師以外は続かず、すぐに転職してしまうといったケースが非常に多いのが現状です。

民間病院と大学病院との違いについて

大学病院と民間病院との大きな違いは、なんと言っても運営元の差でしょう。
民間運営の病院は主に医療法人や社会福祉法人、公益法人、個人などとなっています。
特に多いのは医療法人ですが、国や地方自治体から特別保護された法人ではないため、損失が出るとたちまち経営に響いてしまいます。

逆に大学病院(国立大学付属病院)は平成16年に法人化されており、国や地方自治体が直接運営しているわけではありません。
けれど元々は国や地方自治体が運営していた病院には違いないため、勤務する医師は「準公務員」の扱いです。

また国立大学付属病院に対しては会計検査院が経営状況・安全管理体制などについて報告書をまとめて公開しているため、民間運営の病院ではなく、やはり公的病院の扱いであると認識した方が良さそうです。
ほかにも両者には、どのような違いがあるのでしょうか?

大学病院の役割とは?

国立大学に付属する病院は他の病院とは違い、いくつかの役割や使命が課せられています。
まず地域中核病院のトップにある医療機関として、最先端の高度医療の提供やドクターヘリを駆使した救急対応などを行い地域医療の活性化に貢献する事
そして医師の教育や研修機関として、また臨床研究や治験の場としての役割を負う事などがあげられます。

病院と聞くと病気治療の場と考えてしまいますが、大学付属病院はそれだけではなく臨床研究・教育・研修・治験など医学の進歩のために必要な役割も果たしているため、専門分野を極めたい医師にとっては狙い目。
大学付属病院でしっかりとした経験を積んだ後に開業する医師もいます。

民間病院の役割とは?

市井にある病院の約7割が民間運営の病院となっており、病院の数が多い事から医師の転職もしやすくなっています。
民間の場合、研究や治験、教育、研修よりも患者を診察し治療する事の方が優先されますし、病院の運営が何よりも大切なのでより多くの患者に対応出来る医師が重宝されるでしょう。

民間の病院でも規模の小さな病院などは特に、地域医療(かかりつけ医)の役割を負っています。
風邪を引いてもなかなか大学付属病院に行く事は出来ませんが、近所のクリニックであれば気軽に通えるもの。
そのため民間運営の病院は地域住民とのコミュニケーションや関わりが強くなる傾向にあるのです。

どちらで働くか?

大学病院と民間病院の違いについてまとめましたが、結局どちらの病院で働く方が良いかは医師のキャリア形成や働く目的、目標、遣り甲斐などを考慮して決めるのが一番でしょう。
専門医取得を目指すのであれば大学病院が有利ですし、高給与を求めるのであれば民間病院の方に軍配が上がります。